2015年08月06日
各位
日本軽金属株式会社
日軽パネルシステム株式会社
日本軽金属株式会社(社長:岡本 一郎、本社:東京都品川区)とその100%子会社である日軽パネルシステム株式会社(社長:昼間 弘康、本社:東京都品川区、以下日軽パネル)は、オゾン破壊係数がゼロで地球温暖化係数が極めて低いレベルを実現した新たな発泡剤を用いたノンフロン断熱不燃パネル「ジェネスタ不燃」の開発・量産化に成功し、2015年6月29日より生産・販売を開始しました。また、日軽パネルが生産・販売するその他の断熱パネルにつきましても、2015年度中を目標に全てノンフロン製品に切り替えることといたしましたので、お知らせいたします。
背景
1930年代に開発されたフロン(CFC)は、化学的に安定していることや人体に無害なことから、冷媒や発泡剤として広く使用されてきました。ところが1974年、この物質が成層圏でオゾン層を破壊することが分かり、1989年に「モントリオール議定書(オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書)」が発効され、オゾン層破壊の原因とされるフロン等の排出抑制に向けた取り組みが進められた結果、代替フロン(HFC)と呼ばれる材料への切り替えが進みました。
しかし、代替フロンはオゾン層へ与える影響は少ないものの、地球温暖化を促進する温室効果ガスであるという側面を持つことから、「京都議定書(気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書)」において各国で削減を推進することが決められ、日本国内でも自主的な排出抑制対策が社会的に求められています。
ノンフロン化へのステップとスケジュール
日軽パネルの主力製品である断熱パネルは、硬質ウレタンフォームを芯材とした「断熱パネル」と、ポリイソシアヌレートフォームを芯材とした「断熱不燃パネル」の2種類に大別されます。
両製品とも、生産工程において発泡剤と呼ばれる材料を使用します。発泡剤には過去に特定フロン(CFC、HCFC)が使用されてきましたが、特定フロンの廃止後は代替フロン(HFC)への転換が進みました。しかし、代替フロンは地球温暖化を促進する特性を持っており、地球環境に対して与える影響が極めて大きいことから、更なる代替発泡剤を使用した製品の開発が喫緊の課題となっておりました。
日軽パネルは、「人々の豊かな暮らしといきいきとした地球のために」をビジョンとし、日本軽金属株式会社の協力のもと、この地球が抱える大きな環境課題に対する解決策を模索し続けてきました。その結果、HFCに替わる素材として第4世代と呼ばれる新発泡剤「HFO(ハイドロ フルオロ オレフィン)」を採用することとし、世界で初めて※HFOを発泡剤とした断熱パネルの開発に成功しました。
これにより、日軽パネルの主力2製品のうちポリイソシアヌレートフォームを芯材とした「断熱不燃パネル」のすべてを、2015年6月29日よりHFOを使用した製品の生産へ切り替えました。
また、硬質ウレタンフォームを芯材とした「断熱パネル」についても、随時、HFOを使用した製品への切り替えを行い、2015年度中を目標に日軽パネルで生産・販売する断熱パネル製品すべてをノンフロン製品といたします。
※注入発泡式金属サンドイッチパネルにおいては世界初。日軽パネル調べ。
ノンフロン化のスケジュール
製品種類 | 芯材 | 対応時期 |
---|---|---|
断熱不燃パネル | ポリイソシアヌレートフォーム | 2015年6月29日全面ノンフロン化済 |
断熱パネル | 硬質ウレタンフォーム | 2015年度中全面ノンフロン化予定 |
新製品概要
新製品の名称はGenesta(ジェネスタ)とし、今後、当社のノンフロンパネルの名称を「ジェネスタ」として、ブランドを統一します。(商標登録申請中)
なお、Genestaの由来は以下の通りで、新たな世代のスタンダードとなる断熱パネルを意味します。
Genesta = Generation(世代)+ Neo(新しい)+ Standard(スタンダード)
今回、ノンフロン断熱不燃パネル「ジェネスタ不燃」に用いる第4世代発泡剤HFO(HFO-1233zd(E))は、これまで一般的に使用されてきた代替フロン(HFC)と比較すると、地球温暖化に与える影響がおよそ1/1000と極めて低い値であり、オゾン層破壊・地球温暖化それぞれの防止・抑制において、高い環境性能を持ち合わせています。
新製品「ジェネスタ不燃」についての詳細は、特設サイトをご覧ください。
温室効果ガス排出削減効果
代替フロン(HFC)で生産される当社製品をすべて第4世代発泡剤(HFO)での生産に切り替えることにより、年間およそ30万トンの二酸化炭素削減と同等の効果※1が見込めます。これは、杉の人工林1ヘクタール(40年生)が1年間に吸収する二酸化炭素の量※2に換算すると、およそ33,900ヘクタール(東京ドーム7,200個分、山手線の内側の面積の5.3倍)の杉の木と同じ効果があります。
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